外で飼っている猫が、近所の犬に噛まれて怪我をしました。犬の飼い主に治療費を請求できますか?

2012/11/05 その他の取り扱い分野, 特集 by admin

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外で飼っている猫が、近所の犬に噛まれて怪我をしました。
治療費がかなりかかったので、犬の飼い主にも少し負担してもらえたらと思って話しに行ったのですが、飼い主は「自分の犬が怪我をさせたという証拠もないし、そもそも猫を放し飼いにしている方にも責任がある。」と言って、まったく取り合ってくれません。
確かに、その犬に猫が噛まれたところを見たわけではないのですが、今まで噛まれそうになったのは何度か見ているし、獣医さんは犬に噛まれた傷でしょうと診断し、しかも近所には他に犬はいません。
この場合、治療費を少しでも負担してもらえるのでしょうか。
また、それにはその犬に噛まれたという証拠をこちらが出さないといけないでしょうか。
民法第718条1項は、動物の占有者等の責任について定めています。
この条文によると、相談者(Aさんとします)は、犬の飼い主(Bさんとします)に対して、飼い猫が、Bさんの犬に噛まれたことについては、証明する必要があります。
本件では、今までに何度も噛まれそうになっていること、近所には外に犬がいないこと、獣医さんも犬に噛まれた傷であると診断していること、の3点から、証明できる可能性はあります。
以上のように、Aさんとしては、飼い猫がBさんの犬に噛まれたことを証明すれば、飼い猫の治療費をBさんに負担してもらうことは可能です。
そして、Bさんがこの責任を否定するためには、自分が相当の注意をもって飼い犬を管理していたことを証明しなければなりませんが、これを証明することは非常に困難であると考えられます。

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神奈川県弁護士会・港都綜合法律事務所