18歳の息子がバイク事故を起こしました。親は損害賠償責任を負うのでしょうか?

2012/11/05 交通事故, 特集 by admin

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私の息子は高校生(18歳)で、バイクに乗っています。
ところが息子は、バイクで通学途中、横断歩道を通行中の歩行者に衝突し、大けがを負わせてしまいました。
私は日頃から息子にバイクでは登校しないように命じ、バイクで出かけるときは安全運転するよう再三注意していたのですが、この場合、私は親として損害賠償責任を負うのでしょうか?
民法は、責任能力のない子供が他人に損害を加えた場合、子供に代わって親が損害を賠償する義務があると定めています。
ただ、ここでいう責任応力とは「事の善悪を認識する程度の能力」の意味ですから、18歳の高校生であれば責任能力は認められるでしょう。
したがって、この場合、直ちに親の損害賠償義務が認められることはありません。
もっとも、判例は、責任能力ある子供の場合でも親がその監督を怠ったと認められる場合には、親の監督義務違反を理由に損害賠償義務を認めています。
このように判例が親の義務を拡大させているのは、未成年の子供は通常無資力であることから、親の責任を広く認めて被害者の救済を図るためです。
設例の場合、日頃からバイクで登校しないよう命じ、安全運転するよう再三注意していたとのことですが、裁判所は親の監督義務について広く解釈する傾向にありますし、これだけでは監督義務を尽くしたとは言い難いでしょう。
この場合は、損害賠償義務を負うことになると思われます。

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神奈川県弁護士会・港都綜合法律事務所