年収不足のため住宅ローンの審査が通らず、マンション購入をあきらめざるをえない状況になってしまいました。 すでに支払った手付け金は返還されないのでしょうか?

2012/12/07 不動産, 特集 by admin

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マイホームを購入しようと思い、600万円の手付け金を払いました。
しかし、年収不足のため住宅ローンの審査が通らず、マンション購入をあきらめざるをえない状況になってしまいました。
この場合、すでに支払った手付け金は返還されないのでしょうか?
契約締結時に特別な合意がない限り、基本的に手付け金の返金は困難です。
買主が住宅ローンを組むことができず売買代金が支払えないことになった場合、売主は契約を解除することができます。
この場合、売主は手付けから損害金として相当額を相殺するでしょうから、手付けを取り戻すことは困難となります。
こうした場合に備えて、売主は違約金として手付けを没収のうえ契約を解除できる旨を定めることもあり、このような定めがあれば手付けを取り戻すことができないのはもちろんです。
一方、手付けが交付されている本件契約においては、買主も売主が履行に着手するまでは契約を解除することができますが、この場合には手付けを放棄しなければならず、やはり手付けを取り戻すことはできないことになります。
このように、手付けを取り戻すことができるよう契約締結に際して何らかの定めをしておかなければ、買主が手付けを取り戻すことは困難となります。
そこで、買主は、住宅ローンを組むことができなければ契約が効力を失うとともに売主は買主に手付けを返還する旨を定めておくのがよいでしょう。

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神奈川県弁護士会・港都綜合法律事務所